« 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(1) | トップページ | 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(3) »

2010年11月23日 (火)

「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(2)

1999年にカナダのトロントで行われた「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記のつづき、お楽しみください。


★男性器の裏筋を切り開くサブインシジョン

 談笑していたはずの参加者たちが、小さな手術室の方に集まっていた。「モドゥコン」の最大の見せ場、改造手術の実演が始められようとしていた。開会のとき、演説をしたパトリック氏が、手術用の手袋をして、助手を勤める女王様のCMハート嬢を従えて登場した。手術を受けるのは、30代の太目の男性、下腹から太股にかけて、股間を囲むようにタトゥーが彫られているが、外見はいたって地味な会社員風だ。
 パチパチパチ…と電気メスが火花を上げた。これで陰のうに穴を空けるのだという。見ているだけでも自分の股間がムズかゆい。陰のうの根元を前後に貫通するトランス・スクロータムというピアッシングが存在するが、電気メスを用いることで、もっと大きな穴を一気に空けてしまおうということらしい。
 今回の「モドゥコン」でも、最も実践者が多かったのが、男性器を切開するサブインシジョンだった。この性器改造は、もともとは、オーストラリアの原住民アボリジニが、成人になった男性に行っていたもの。その起源は、カンガルーの性器の形を真似たという説や、切開時に多量の血が出ることから女性の初潮を真似たという説がある。このジャンルは、すでに、さまざまな改造が試されており、7種類に分類されている。まず、その バリエーションを見てみよう。
(1)ミートトミー(尿道を2、3cm切開)プリンス・アルバートと言われる、尿道口から入って裏筋に抜ける性器ピアッシングのピアス穴をどんどん拡張することで、切開することも可能。医療用のメスやハサミを使って切開してしまう人も多い。一気にバッサリと切ることもできるが、多量の出血をするので、自分自身で行う場合には、数ミリずつ数回に分けて、切っていく方法もある。尿道内の性感が開発され、男性器の感度も抜群になる。
(2)パーシャル・サブインシジョン(尿道を5、6cm切開)亀頭の裏筋の部分を、ミートトミー以上に大きく切開する。医療用のメスやハサミでもできるが、切断部分が癒着してしまう場合が多いので、一気にやりたい場合には、電気メスで焼き切る方法がベスト。勃起時には、男性器全体が、以前よりも太くなる。性機能には、全く問題はないという。
(3)ヘッド・スプリッティング(亀頭を真っ二つ)亀頭を上下に貫通するアパドラビア・ピアッシングを拡張し、さらに一部を医療用メス等で切り開く。露出した海綿帯部分には未知の性感が芽生えるという。
(4)フル・サブインシジョン(裏筋根元近くまで切開)パーシャル・サブインシジョンから、さらに大きく切開する。勃起時には2倍近い太さになるという。
(5)ジェニタル・バイセクション(根元まで真っ二つ)ハーフ・ペニスとも呼ばれるもので、根元から2本に分かれた男性器には、本当にびっくりさせられる。女性への挿入は難しいようだが、切断面の海綿体部分に未知の性感が芽生えるという。
(6)インバージョン(竿部分のみを真っ二つ)切開の際に、出血が多い亀頭部分はそのままにして、竿部分のみをメスなどで真っ二つに切開していしまう。物を挟んだりすることもできるので、全く違ったセックスの可能が開けるかもしれない。
(7)スクロータル・スプリッティング(陰のうを真っ二つ)陰のうの中央部分をメス等で切開する。陰のうの伸展は勃起力の増強に効果があるが、同様の強壮効果があるという。
 「モドゥコン」の大会会場では、これら7種類のすべてを見ることができた。男性器へのピアッシングにも、14種類あるが、サブインシジョンも、もはや性器ピアッシング同様の発展を遂げているのだ。サブインシジョンは、まだ、ピアッシングのように、苦痛も少なく、失敗なくできる方法が確立されているわけではない。しかし、もっと実践者が増えれば、広く受け入れられていくだろう。

★性器に食塩水を注入するセイリーン・インフュージョン

 陰のうに穴を空ける手術は、電気メスで切ったあとに、癒着防止のために傷口を縫合するため、40分以上の時間がかかった。手術がまだ終了しないうちに、同じ手術室で、男性器へ食塩水を注入するセイリーン・インフュージョンの実演が始められた。下半身丸出しで椅子に座った男の横には、医療用の食塩水の点滴が3リットル分も吊されていた。
「彼の性器に食塩水を注入します。約1時間で、今の5倍ぐらいの大きさに膨れ上ります。注入した塩水が体内に吸収されるには数日がかかるので、その間、彼は、まったく水分を取る必要がありません。」
 そう説明がなされると、男の陰のうに、3本の注射針が刺されて、点滴と接続された。数分すると、注入されている男は、朦朧とした表情になっていた。そして、数十分もすると、彼の陰のうは、椅子から大きく垂れ下がるほど肥大していた。なるほど、人間の体で、そんなこともできるかと、感心させられる。
 全くの素人が、このような食塩水の体内注入を行うのは、非常に危険な行為である。しかし、BMEのホームページを見ると、その詳しいやり方ばかりか、体内に注入可能な医療用食塩水や、点滴用注射針まで通信販売されている。確かに、BMEを知ったことで自分でもやってみたくなる人も多いだろう。そして、その情報や道具、薬品までが、インターネットを通じて、日本にいる我々も含め、世界中の誰にでも簡単に手に入るのである。
 さて、セイリーン・インフュージョンについて、BMEの報告をもう少し付け加えておこう。注入が可能なのは、男性器の陰のうや竿、女性器の陰唇、乳頭など。さらに驚くべき実例では、絞り出した男性の乳房に食塩水を注入して豊胸するものもあった。

★皮膚の下に異物を埋め込むインプラント

 「モドゥコン」で身体改造の実演では、フランスから来たルーカス・スピラ氏による、若い女性の腕を切って、肌に模様を刻む行為(スカリフィケーション)も行われた。真っ赤な鮮血が流れ、彼女の目からは痛さのあまり涙がこぼれ落ちていた。そんな思いをしてまで、綺麗な肌に傷をつけることもないのにと思うだろう。しかし、白い肌に、真っ赤に浮き出た模様は、なんとも言えないほど美しく見えた。
「私は、スカリフィケーションのアーティストである。ピアッシングやタトゥーが、ボディ・アートとして受け入れられ始めているように、ボディ・モディフィケーションそのものが、未来のアートとして、評価される日がくるだろう。」 
 ルーカス氏は、自信満々に語った。彼同様に、未来の身体改造が、次の時代のアートになるだろうと考えている人たちは多い。彼らは、ボディ・モディフィケーションという行為を、他人とは異なる身体を持つことによる強烈な個性の主張、あるいは、人間の身体の未知なる可能性を開くものと考えている。
 そのような「超個性」的な改造として、大きな飛躍をもたらしたものに、皮膚下に異物を埋め込むインプラントがある。その開発者スティーブ・ヘイワース氏自身は、第一回「モドゥコン」には参加しなかったが、大会の参加者たちのヘヴィな埋め込みは、筆者を始め、すべてスティーブ氏が行ったものだ。
 インプラントが始められたのは、1993年。医療機器メーカーの社長を父に持ち、ボディピアス専門店を営んでいたスティーブ氏のもとには、「頭皮の下に金属板を埋め込み、モヒカン状に鋲をつけられるようにして欲しい」とか、「額に突起を作って、スタートレックの宇宙人みたいにして欲しい」など、奇想天外な身体改造願望を持った連中が集まってきていた。そんな彼らの願望を実現したのが、「インプラント」だったのだ。
 もともと、皮膚下に異物を埋め込む方法自体は、美容整形手術で、鼻を高くするためにシリコンを埋め込む行為とほとんどかわりはない。だが、それが、アンダーグラウンドな身体改造マニアたちの世界で行われていたことが衝撃である。実際、額に大きなリングを埋め込んだ女性や、手首や手の甲に異物の突起をでっぱらせている連中を見れば、そこには、全く違った意識が作用していることがわかる。
 スティーブ氏は、手首、額、胸部、手の甲などに、テフロンや医療用ステンレスでできた素材を埋め込むことに成功している。アリゾナというアメリカのローカル都市で始まったインプラント。BMEを通じて、世界に発信されたことが国際的に知られるきっけになり、99年度版の「ギネス・ブック」にも載ったほどで、500人以上の実践者がいる(00年当時)。このような埋め込み技術も、ピアッシングの跡を継ぐものとして大いに注目されているのだ。(つづく)
 

|

« 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(1) | トップページ | 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(3) »

コメント

自分はパーシャルサブインシジョンとヘッドスプリットしてます
日本では性器ピアスなんかは割とメジャーになりつつありますけど、サージカル系の性器改造はまだまだですね
バイセクションに進みたいけど日本人でしている方はいるのかな?
バイセクションするにあたって何か注意する点があれば教えてください

投稿: まっく | 2016年1月 4日 (月) 10時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1311865/37798532

この記事へのトラックバック一覧です: 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(2):

» 龍馬伝のパロディ [女の子GOGO!!のブログ]
KYONOです。先ごろNHKで放送された龍馬伝が、別の意味で話題になりましたね。で、それをパロディにしたマンガがありましたので、紹介します。 [続きを読む]

受信: 2010年12月 2日 (木) 18時23分

« 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(1) | トップページ | 「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(3) »