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2010年11月23日 (火)

「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記(1)

およそ10年前、1999年にカナダのトロントで行われた「モドゥコン99(第一回身体改造★世界大会)」体験記、翌00年に書かいたもの。今、読み返すとまた新鮮、お楽しみください。

★世界最大の身体改造ホームページBMEとは

 「1994年の終わりごろ、自分のホームページで、僕のピアス写真を公開していたら、『俺の方が、凄いだろう』って、いろんな人から、写真が送られてくるようになったんだ。」
 そう語ったのは、カナダで、世界最大の身体改造ホームページBME(ボディ・モディフィケーション・イージン)を主宰しているシャノン・ララット氏。彼は、そのことがきっかけとなってBMEを立ち上げたという。
「送られてきた写真の中に、男性器を切開しているものがあって、これは凄いことになっていると悟ったよ。そういう行為が、僕らの知らないところで、大勢の愛好者たちに実践されているんだからね。」
 シャノン氏がいう男性器の切開は、サブインシジョンと言われる行為。彼は、そのマニアたちとの出会いを通じて、雑誌メディアや一般マスコミでは、紹介できないような身体改造の最前線を、インターネット上で発信していくことになる。
 「僕が、最初に、コンタクトするようになったのは、男性器を切開した人たちだったけれども、そのうちに、爪を剥ぐのが趣味の人や、自分の意志で指や手を切断した人たちとも連絡を取り合うようになった。特に、切断マニアの人たちは、自分以外にも切断を趣味にしている人がいることを知ると、罪の意識が薄れて、インターネットを通じて、ある種の共同体を作っていった。そういう人は、アメリカだけでなく、ドイツや日本にも大勢いるよ。」
 しかし、なぜ、そこまで疾走してしまうマニアたちがいるのか。シャノン氏は、ハードな改造マニアたちをどう見ているのだろうか。
「手足を切断してしまうような行為は、今までの人生を全く変えてしまう。例えば、性器の切除にしても、ホルモンのバランスが変わって、その人の性格まで変えてしまうし、もっと一般的な男性器の切開にしても、出血も多く、その人の精神や肉体に大きな影響を及ぼすだろう。」
 シャノン氏は、ハードな身体改造のリスクを強調した上で、続けた。
「彼らは、子供のころから、そのようなことをしたいと思っていたり、何かの必然性があって、それをしたいと思い続けていた。だから、何かに影響されたとか、ましてや外見上の理由からでもない。もっと、内面的な願望に突き動かされて、それをやらずにはいられない人たちなんだ。」
 その話は、70年代の性器ピアッシングの黎明期、ピアッシングそのものの存在すら一般に知られていなかったときに、内的な動機から、それを実践してしまったマニアたちの世界に通じるものがある。
「BMEにアクセスしてくる人たちの間では、男性器の切開も、ごく普通の行為になっている。将来、もっと信じられないような改造を実践する人たちが登場するだろう。」
 シャノン氏の言葉の通り、BMEは、現在も絶えまない前進を続けている。
 
★身体改造世界大会「モドゥコン」体験記

 1999年5月。BME主催によって、世界の改造マニアたちを一同に集めるイベントが開催された。「モドゥコン99」と名づけられたこのイベント、場所はカナダのトロント、大会の参加資格は、指または手足の切断、男性器の切開、舌先の切り裂き、皮膚下への異物の埋め込みなどのハードな身体改造を実践している人のみに限られた。アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本などで約500人がノミネートされ、そのうちの60人が実際に集まってきた。実は、筆者も額にテフロン樹脂をインプラントしており、大会の参加が許された。
 「BMEにコンタクトしてくるマニアたちは、皆、インターネットで連絡を取り合っているだけで、直接、会ったことがない。だから、彼らを一つの場所に集めてみたかった。」
 そう語るシャノン氏も、舌先を電気メスで切開しており、2つになった舌が口の中からチラチラと覗くのがわかる。イベント開始時刻の午前11時をまわると、次々と参加者たちが会場に到着した。入口では、関係者以外の立ち入りを防止するために、身分証明書のコピーが取られ、非常に厳しいセキュリティーがひかれていた。
 会場内に入ると、大きな広間と、小さめに壁で区切られた手術室があった。広間の巨大スクリーンには、男性器が火で焼かれている映像が流れ、いくつか置かれたソファーでは、数人の参加者たちが、談笑を始めていた。ほぼ全員の参加予定者が揃ったのは、午後2時近く。さっそく、自己紹介タイムが始まった。
「私は、アメリカから来ました。亀頭が半分です。」「私は、フランスから、皮膚の下に金属を埋め込んでいます。」さらに、「私は、自分の夫を去勢しました」と語る去勢夫婦も数組いた。
 全員の自己紹介が終わると、参加者の中でも年配のパトリック氏の演説が始まった。彼は、イギリスから参加した医師で、アメリカより数年遅れて始まったロンドンのピアッシング・シーンで活躍した人物である。
「私は、80年代初頭に、性器ピアッシング・ムーブメントにかかわりました。そのとき、最初に性器ピアッシングをしていたのは、たった4人だけ。しかし、今では性器ピアッシングは、非常に一般的になりました。そして、今、ここに集まった人たちは、次の時代を作る人たちです。いつか、このようなハードな身体改造が世に受け入れられたとき、この集まりがどれほど貴重なものであったかが高く評価される日が来るでしょう。身体改造こそが、我々の意見であり、表現なのです!」
 その言葉と同時に、会場中に割れんばかりの拍手が響いた。事実、十数年前まで最も重度な変態行為だ思われていた性器ピアスが、今や世間に広く知られるようになったことを思えば、さらに10年後、20年後に、いったいどんな身体改造行為が一般に受け入れられているかなんて、誰も予想できないだろう。


★指、手足を切断するアンピュテーションな人々

 大会参加者たちの自己紹介が終わると、参加者同士のフリートークが始まった。なんとしてもまず話しを聞いてみたかったのは、指や手足を切断するアンピュテーションの実践者たちだった。
 最初に話したのは、親指切断の実践者BD氏。彼は、30歳代、有名企業に勤める理知的な紳士だ。
「10代のときから、指を切断する願望があった。ある日、バスで指のない人を見て『やれば、できるんだ』と思い、3週間後に実行した。ほら、このとおり。」
 そう言って、彼は、嬉しそうに短くなった親指を見せた。
「俺は、このツルっとした感じが大好きなんだ。これも一種のフェチだろう。」
 そう言って、彼は、切断面を嬉しそうに撫でた。親指の第一関節から先がないが、会社の同僚たちも、まさか彼が自分の意思で指を切断したとは思っていないだろう。
 次に話を聞いたのは、初老の男性で、全身をタトゥーで飾ったカッター氏。
「右の小指と、左の中指を切断。足の指は9本ない。切断された指はセクシーだろう。右の小指でアナルを、左の中指でヴァギナを責めると俺のガールフレンドはヒーヒーとヨガり声を上げるよ。」
 カッター氏はニヤニヤと笑った。実際、爪がないとアナルやヴァギナを責めるのに都合がいいだろう。どうも切断系のマニアは、性的な理由でその一線を越えてしまうらしい。
 親指切断の実践者BD氏は、さらに、手首の切断を行った友人について語った。
「彼は、指を、ノミを使って、トンカチで一発で切断した。でも、手首は、ナタで一気にいったけど、完全に切り離すことができなかった。30分待って、救急車を呼んだけど、残念ながら縫い合わされてしまったよ。」
 横で聞いていたカッター氏が、「切断方法が悪かったな」と相づちを打った。彼らの一番の関心は、もはや、「なぜ、切断するか」ではなく、「どうやったら、綺麗に切れるか」なのだ。BD氏が続けた。
「今回、残念ながら参加してくれなかったが、我々の大先輩は、『ノーハンド』氏だ。彼は、手足のない状態に対する憧れを持ち続け、自作のギロチンを作って、指の切断で十分な訓練を積んだのち、念願の右手首切断を成功させたのさ。」
 指の切断に比べて、手首の切断を成功させるのは、それだけ難しいことだという。また、切断された指や手首をどのように保存するかも、彼らの大問題である。
 ちなみに、ノーハンド氏は、手首切断後に、さらに、自分から車の事故を起こして両足を切断。その後は、身体障害者年金によって、暮らしているという。
 さらに、性器を切断してしまった人や、乳首を切除してしまった人たちにも、その切断面を見せてもらうことができた。(つづく)

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コメント

突然失礼いたします。

以前、ルーカス氏に施術をしていただいた際、前田様にも大変お世話になりました。ありがとうございました。

先日、わたしは長年の夢だったアンピュテーションを実践しました。

日本では特に、他の改造に比べてもとてもハードルが高いと思います。情報もとても少ない。しかし願望を持っている人はたくさんいるのではないでしょうか?

アンピュテーションについてももっと取り上げていただけると嬉しいです。ぜひ、よろしくお願いします。

投稿: キヌコ | 2013年9月 8日 (日) 10時49分

きちがいは死ねよ

投稿: 油屋熊 | 2013年12月28日 (土) 17時46分

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