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2012年4月

2012年4月 7日 (土)

ルーカス・スピラの「ボディ・ハックテヴィスト」“身体で世界をハッキングせよ”

すべての情報を“コンピューターの独裁”に委ねるな!?
今だからわかる「ハックティヴィスト」という“未来”

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※人気ラーメン店「モトミヤ」を一日店長として“ハッキング”したルーカス・スピラ。
※本日(4/7) → スペシャルトークショー、ルーカス・スピラ×釣崎清隆×ケロッピー前田
19:00〜 カフェ百日紅(JR 板橋駅から徒歩5分) 03-3964-7547
ケロッピー前田展「ホルマリン・スケープ」開催中

 最近、サイバー攻撃やハッキング、セキュリティ問題が取りざたされることが多い。しかし、そこには大きな問題が隠されている。というのは、個人情報の漏洩などが危惧される一方で、政府によるネット監視が強まっているのだ。つまり、政府は、国民の個人情報を守ることよりも政府の情報が漏洩することを恐れ、セキュリティを意識するあまり国民の個人情報を吸い上げて管理&監視したいと思っている。だからこそ、匿名のハッカー集団「アノニマス」が政治的な理由でのサイバー攻撃を繰り返す状況が生まれている。
 「アラブの春」と呼ばれる中東の“ネット革命”も、ソーシャル・ネットワークを使って反政府活動家たちを検挙し始めたのは独裁政府であり、そのようなネット監視が厳しくなったからこそ、革命が必要になったのだ。「アノニマス」がチュニジアやエジプトの政府にサーバーに攻撃を仕掛けたのは、デモを起こそうとしていた活動家たちをネット監視から守るためであった。
 実際、「ハッカー」の発祥は、軍事目的で開発されたコンピューターを一般に解放するためで、インターネットももとはといえば、アメリカの軍事用ARPAネットのハッキングから始まった。「ハッカー」というと、日本では“犯罪的”なイメージが強いが、今や「ハックティヴィスト(政治的なハッカー)」たちが、政府の情報をリークすることで、メディアが書けなかった真実に迫るニュー・ジャーナリズムも生まれている。
 さらにここで、「ハッキング」という戦略がコンピューター用語に留まらず、あらゆるものの「転用」を擁護するものであるなら、身体改造アーティストのルーカス・スピラが提唱する「ボディ・ハックティヴィスト」もやっと正しく理解される状況になった。つまり、固定化された身体のイメージからの解放のため、サイエンス・フィクションが描くような“未来”の身体を先取りせよというのだ。もはや国に“未来”を期待することはできないのだから。

【“コンピューターはみんなのために”アンチ独裁=ハッカー思想の系譜】
◆第二次世界大戦の頃、コンピューター開発が始まったのは、ミサイルの軌道計算のため、それを軍事や国家から解放したのこそ「ハッカー」たちだった。60年代、モニターとキーボードを持つ「PDP-1」がMITに導入されたとき、それをイジリ倒して、世界初のコンピューターゲーム「宇宙戦争」を作った学生たちが「ハッカー」の元祖という。アメリカの軍事用ARPAネットをインターネットとして解放したのも「ハッカー」たちだ。

【ハッカー集団「アノニマス」が実践する「ハックティヴィスト(政治的ハッカー)」】
◆「アノニマス」とは「名無し(匿名)」の意。「2ちゃんねる」の英語版「4chan」から生まれたリーダーのいない匿名ハッカー集団で、“ネット上の情報の自由”を訴え、チュニジア、エジプトで起こった“ネット革命”で独裁政権にサイバー攻撃を仕掛けて名を上げた。17世紀初めにイギリス国王暗殺を企て死刑となったガイ・フォークスのマスクを被り、「ウィキリークス」を継ぐ「ハックティヴィスト」として、注目を集めている。

【フランスの“ホリエモン”、シリィ・エールマンが仕掛けた「アボード・オブ・カオス」という革命】◆フランスで有名なIT長者シリィ・エールマンはリオン郊外の大邸宅を「アボード・オブ・カオス」というグラフィティ・ビルに改造し、「アノニマス」のメンバーやルーカス・スピラを含む“未来”的なアーティストたちを集め、新たな時代への革命を仕掛けている。

【“身体で世界をハッキングせよ”交差する身体改造とハッカー思想】
◆ルーカス・スピラは、「インプラント(埋め込み)」や「スプリット・タン(蛇舌)」などの「身体改造(ボディ・モディフィケーション)」を実践するアーティストとして、SF的な“未来”を自らの身体で実践することで、“世界をハックせよ”と主張している。

「ボディ・ハックティヴィスト」とは何か!?
◇「ボディ・ハックティヴィスト」は、04年の年明け、ルーカス・スピラによって生み出されたコンセプトである。それは日出ずる国でリョウイチ・マエダ(ケロッピー前田)に触発され、人間の身体を表現媒体とするアーティスト、研究者、思想家たちの活動を明確にする必要性から生まれた。文化人類学に基づく「モダン・プリミティブ」を乗り越え、アニメ、漫画、SF映画や小説、精密医学機器の目覚ましい進歩から着想を得て、前衛的かつ先端的な身体改造を実践し、思考し、発明していくこと。(中略)例えば、映画『スタートレック』に影響され、額のインプラントが発明されたように(中略)実践するか否かを超え、それは哲学であり、精神である。

[見直される「ハッカー」の役割]日本では「ハッカー」というと、“犯罪的”なイメージで語られることが多かった。しかし、福島原発事故についての日本政府や大手メディアの隠蔽ぶりを目の当たりにして、本当の情報を知るためには「ウィキリークス」や「アノニマス」が行ったようなハッキングも必要であることも理解され始めている。正義のために戦う「ハッカー」が熱望されているのだ。

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2012年4月 1日 (日)

なぜ全身を包まなければならないのか!? 日本で動き出したラバーマニアの“NEW WAVE”

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「ラバーはもっと変わっていいんですよ。素材の特質を生かしながらも、それまでのイメージをどんどん壊していっちゃっていい」
 そう語るのは、日本のラバーアーティストとして注目の「Kurage」こと、Kid'O氏。ここ数年、日本のラバーが動き始めているのはまさに彼の活躍によるところが大きい。
 海外でのラバー愛好は、第二次大戦中、ガスマスクやラバー製雨具に全身を包んで戦争体験をした世代から始まったという。限界状況の戦場で息苦しいマスクやラバーに全身を包まれながら、兵士たちは何を思ったのだろうか。往年のマニアたちが開眼した“ラバーの快楽”を、若い世代が再発見するのは80年代、ラバーは「フェティッシュ・ファッション」として脚光を浴び、映画に登場したダースベイダーやバットマンなどの人気とあいまって、瞬く間に世界的に認知されるものとなった。
 また「フェティッシュ・パーティ」と呼ばれる「ドレスコード(服装規約)」を設けたイベントが盛んになり、90年代には日本にも上陸した。しかし、ラバーが単なるコスプレになってしまうと、その本質からは離れていく。それぞれの愛好者の身体サイズに合わせ、完全オーダーメイドで作られなければ、真の“ラバーの快楽”は味わえないのだ。
「男でも女でもない、人間でない生物。そんな存在に身も心も変貌したい。そのためには、ぴったりフィットしたラバーで全身を包み込むことが重要なんです」
 「家畜シリーズ」の“牛”を始め、空気で膨らませるインフラタブルな自作ラバースーツを手掛けるサエボーグ嬢が解説してくれた。彼女の呼びかけによって、日本全国のラバーマニアたちが集結、今年5月には東京アンダーグラウンド・パーティの老舗「デパートメントH」でラバー大会も開催されている。
 確かに動くゴム人間たちの姿は、観る者をも異界へと誘う。ラバーにおける日本からの“新しい波”、世界も注目するシーンの動向にますます期待したい。


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【高いポテンシャルで日本ラバー界を牽引、池袋ラバー専門ショップ「Kurage」の正体】
◆5年前、池袋にオープンしたラバーショップ「Kurage」は、「オーダーメイドのみ」「従来のイメージから自由に」をモットーにポップで印象的なオリジナル・デザインが魅力、それでいてマニアも唸る細部の加工が人気の秘密だ。デザイン制作を手掛ける「Kurage」こと、Kid'O氏は、今や世界的に注目されているほど、ラバーの“新しい波”は日本からという意気込みが、作品ひとつひとつから滲み出ているのが凄い。

【なぜ動物? なぜラバー? なぜインフラ? 「全く別の生き物になりたい」ラバリスト・サエボーグの問題提起】
◆サエボーグ嬢は、空気で膨らませるインフラタブル・ラバースーツを制作し、自ら着るラバリスト。思春期は同人誌3万冊買い漁っている「腐女子」、フェティッシュ・バー勤務を経てラバーと出会った。性差や自分に対するコンプレックスを全身を包むラバーで乗り越えることを目指し、“牛”を始めとする「家畜シリーズ」の制作に勤しむ。同時に、日本のラバーマニアたちのまとめ役としても活動する、希有な存在である。


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【日本全国からラバーマニアが集結! ゴムのパワーが世界を変えるか】
◆「なぜ今、ラバー?」という疑問はマニアたちの本気な姿を見れば吹き飛ぶだろう。彼らは今まで、その姿を公にさらす機会が稀だったし、その願望を具現化するラバースーツを「作る」ことができるアーティストにも巡り会っていなかった。「Kurage」の登場で明らかに日本のラバーに“新しい波”が押し寄せた。そのきっかけを作ったサエボーグ嬢もまた「Kurage」の指導のもと、自作ラバースーツという新たな道を歩んでいる。

[日本のラバー流行と現在]ラバーの流行は世界的には80年代、「フェティッシュ・ファッション」として脚光を浴びた。90年代、日本にはSMブームとともに上陸、「ドレスコード(服装規約)」ありの「フェティッシュ・パーティ」の定着で市民権を得た。しかし、ラバーマニアは少数派、近年、海外ブランド追従から国内オーダーへと転換して、日本ならでは独自色が出始めている。

毎月第一土曜日「デパートメントH 」@鴬谷・東京キネマ倶楽部
→ 2012年5月5日(土)「デパートメントH 」は「ゴムの日」にちなんで恒例ゴム大会!!

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