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2012年11月

2012年11月30日 (金)

ミート・ザ・ボディ・ハックティビストで行われたパフォーマンス

11/26(月)、『進捗ナイト特別拡大版~ミート・ザ・ボディ・ハックティビスト』では、いったい何が行われたのか。

その模様は、タイムシフト でご覧頂けるが、とにかく、注目は、ボディ・ハックティビストの実践者ルーカス・スピラによるパフォーマンス。その模様をご紹介する。


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「カオス」と名付けられた今回のパフォーマンス。

ヴィヴィアンが「詩」を読み上げながら、ショーは進行する。

ときに静かで、ときに暴力的で、ときに激しく、そして、美しく

時間の流れと、言葉の響きと、床にまき散らされた現世的なマテリアル

白い薔薇は赤く染まり、そして、人間の生と死、創造と破壊

すべての可能性は、「カオス」の中にあるという。

読み上げられた「詩」は、写真のあとに。

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医療用メスで衣装を切る。それでも詩を読み上げる。


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だんだん肌があらわに。

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観客に現世的なものを分け与えると、お仕置きの平手打ち!!


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すべての施しものを分け与えると、その引き換えとしてがヴィヴィアンは死んだようにぐったり。


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献花され、ショーは終わる。


Chaos may have been born in an empty sky above the wall of lametantions,

Or perhaps on top of a wall in China, in Berlin or elsewhere,

It lives in a mirador

Within the cold walls of a prison

In deathrow痴 corridor.

Chaos is a man lost when godless

Prometheus calvary;

Surely chaos lives hidden deep in the heart of man

Able to change his child into a slave

Or a warrior,

His wife into a whore

Or a human shield;

It is the blood that seals the stones of the cathedrals

The blood that was shed from the peaks of pyramids.

Chaos is a stray bullet in Sarajevo

That ends up in someone痴 head in Africa,

Some guy forgotten in Guantanamo

A kid screwed for cash.

Chaos is a government stealing our bodies;

It is the uncertainties of powers.

Chaos is neither good nor bad

For the world is not binary,

It is neither a beginning, nor an end

Chaos is a black hole

That can only be observed by the non-accomplice,

Therefore designating us as terrorists,

It is a quantum void whose hackers are virtual particles,

It is materia prima,

The field of possibilities.

Chaos is born is the interstices of a world under control;

It is order that creates chaos.

thanks !

カオス(混沌)とは、嘆きの壁の上、何もない空で生まれた

あるいは中国の壁のてっぺんで、ベルリンの、あるいはどこかの

それは見晴し台にいて

監獄の冷たい壁の中に

死刑囚の監房に

カオスとは、神のいない時代に失われた男

プロメテウス(=火を司るギリシャの神)は張り付けられ

確かにカオスは人の心の奥底に隠れている

彼の子供は奴隷にもなれるし

戦士にもなれる

彼の妻は娼婦にも

人間の盾にも

それは大聖堂の大理石に染み渡る血であり

その血はピラミッドのてっぺんから流れ出る

カオスはサラエボを飛び交う銃弾であり

アフリカで誰かの首されも刎ねる

グァンタナモの忘れられた男たち

現金に目が眩む少年

カオスとは、我々の身体を隠蔽する政府

得体の知れない力である

カオスは良くも悪くもない

この世界はデータでないから

始まりも終わりもなく

カオスとは、ブラックホール

そのことがわかるのは共犯者ではないものだけ

それゆえに、我々はテロリストとみなされ

ハッカーたちが仮想粒子を演じる量子的空隙となる

それは第一質料(=錬金術でいう万物の根源)であり

可能性に溢れた領域であり

カオスとは、コントロールされた世界に出来た裂け目

カオスを生み出すことのみが、求められている

ありがとう!!

Shinjukuza07


「カオス」なくしては、何も生まれない

すべてが連鎖し、ひとりの人が自由を得ると、

世界のどこかで、他の誰かが奴隷を強いられる

そういう現実を見据えて

何かを掴み取る勇気を!!

ということだそうだ。

動画で観たい方はぜひタイムシフト期間中に。

『進捗ナイト特別拡大版~ミート・ザ・ボディ・ハックティビスト』

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2012年11月26日 (月)

『進捗ナイト特別拡大版~ミート・ザ・ボディ・ハックティビスト』

『進捗ナイト特別拡大版~ミート・ザ・ボディ・ハックティビスト』

11月26日(月)18:00OPEN 19:00START

出演=
釣崎清隆(死体写真家)
ケロッピー前田(身体改造ジャーナリスト)
福田光睦(モダンフリークスTV)

スペシャルゲスト=
ルーカス・スピラ(身体改造アーティスト)


中継=モダンフリークスTV
【放送URL】
http://live.nicovideo.jp/gate/lv115174925

会場=ギャラリー新宿座
http://shinjukuza.jp/
入場料=1,000円

1990年代から日本のハードコアシーンを牽引してきた死体カメラマン釣崎清隆&身体改造ジャーナリストケロッピー前田。その両御大を迎えて、この世の知られざる【進捗】報告を行なう地獄のトークセッション。今回は予定を大幅に変更して特別拡大版!
ゲストにフランスの身体改造アーティスト、ルーカス・スピラを迎え、彼が提唱する“ボディ・ハックティビスト”の実践的パフォーマンス・ショーを日本初公開!!

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Lukas Zpira & Vivianne (Satomi Zpira)

【導入】

“身体で世界をハッキングせよ”

交差する身体改造とハッカー思想

◆ルーカス・スピラは、「インプラント(埋め込み)」や「スプリット・タン(蛇舌)」などの「身体改造(ボディ・モディフィケーション)」を実践するアーティストとして、SF的な“未来”を自らの身体で実践することで、“世界をハックせよ”と主張している。

【起源】

「ボディ・ハックティヴィスト」とは何か!?

◇「ボディ・ハックティヴィスト」は、04年の年明け、ルーカス・スピラによって生み出されたコンセプトである。それは日出ずる国でリョウイチ・マエダ(ケロッピー前田)に触発され、人間の身体を表現媒体とするアーティスト、研究者、思想家たちの活動を明確にする必要性から生まれた。文化人類学に基づく「モダン・プリミティブ」を乗り越え、アニメ、漫画、SF映画や小説、精密医学機器の目覚ましい進歩から着想を得て、前衛的かつ先端的な身体改造を実践し、思考し、発明していくこと。(中略)例えば、映画『スタートレック』に影響され、額のインプラントが発明されたように(中略)実践するか否かを超え、それは哲学であり、精神である。

【拡大】

すべての情報を“コンピューターの独裁”に委ねるな!? 今だからわかる「ハックティヴィスト」という“未来”

 最近、サイバー攻撃やハッキング、セキュリティ問題が取りざたされることが多い。しかし、そこには大きな問題が隠されている。というのは、個人情報の漏洩などが危惧される一方で、政府によるネット監視が強まっているのだ。つまり、政府は、国民の個人情報を守ることよりも政府の情報が漏洩することを恐れ、セキュリティを意識するあまり国民の個人情報を吸い上げて管理&監視したいと思っている。だからこそ、匿名のハッカー集団「アノニマス」が政治的な理由でのサイバー攻撃を繰り返す状況が生まれている。

 「アラブの春」と呼ばれる中東の“ネット革命”も、ソーシャル・ネットワークを使って反政府活動家たちを検挙し始めたのは独裁政府であり、そのようなネット監視が厳しくなったからこそ、革命が必要になったのだ。「アノニマス」がチュニジアやエジプトの政府にサーバーに攻撃を仕掛けたのは、デモを起こそうとしていた活動家たちをネット監視から守るためであった。

 実際、「ハッカー」の発祥は、軍事目的で開発されたコンピューターを一般に解放するためで、インターネットももとはといえば、アメリカの軍事用ARPAネットのハッキングから始まった。「ハッカー」というと、日本では“犯罪的”なイメージが強いが、今や「ハックティヴィスト(政治的なハッカー)」たちが、政府の情報をリークすることで、メディアが書けなかった真実に迫るニュー・ジャーナリズムも生まれている。

 さらにここで、「ハッキング」という戦略がコンピューター用語に留まらず、あらゆるものの「転用」を擁護するものであるなら、身体改造アーティストのルーカス・スピラが提唱する「ボディ・ハックティヴィスト」もやっと正しい理解される状況になった。つまり、固定化された身体のイメージからの解放のため、サイエンス・フィクションが描くような“未来”の身体を先取りせよというのだ。もはや国に“未来”を期待することはできないのだから。

【資料1】

“コンピューターはみんなのために”

アンチ独裁=ハッカー思想の系譜

◆第二次世界大戦の頃、コンピューター開発が始まったのは、ミサイルの軌道計算のため、それを軍事や国家から解放したのこそ「ハッカー」たちだった。60年代、モニターとキーボードを持つ「PDP-1」がMITに導入されたとき、それをイジリ倒して、世界初のコンピューターゲーム「宇宙戦争」を作った学生たちが「ハッカー」の元祖という。アメリカの軍事用ARPAネットをインターネットとして解放したのも「ハッカー」たちだ。

【資料2】

ハッカー集団「アノニマス」が実践する

「ハックティヴィスト(政治的ハッカー)」

◆「アノニマス」とは「名無し(匿名)」の意。「2ちゃんねる」の英語版「4chan」から生まれたリーダーのいない匿名ハッカー集団で、“ネット上の情報の自由”を訴え、チュニジア、エジプトで起こった“ネット革命”で独裁政権にサイバー攻撃を仕掛けて名を上げた。17世紀初めにイギリス国王暗殺を企て死刑となったガイ・フォークスのマスクを被り、「ウィキリークス」を継ぐ「ハックティヴィスト」として、注目を集めている。

【追記】

[見直される「ハッカー」の役割]日本では「ハッカー」というと、“犯罪的”なイメージで語られることが多かった。しかし、福島原発事故についての日本政府や大手メディアの隠蔽ぶりを目の当たりにして、本当の情報を知るためには「ウィキリークス」や「アノニマス」が行ったようなハッキングも必要であることも理解され始めている。正義のために戦う「ハッカー」が熱望されているのだ。

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