16日まで、【現代・日本に風穴を開ける『死と未来』展】exhibition view
お陰さまで好評開催中の『死と未来』展も、16日(土)(最終日は午後5時まで)となりました。
たくさんのご支援、ご協力いただきありがとうございます!!
展示会場で実物大の作品と向き合うことでしか出来ない体験をぜひ!!
『死と未来』展のexhibition view を公開します。よろしくお願いします!!
画廊に入って、すぐ右手。最初に目に飛び込んでくるのは「死」をテーマにした宮川ひかるの絵画作品。色反転した美しいターコイズ・ブルーに何を見い出すか。左隣りには、死体写真家・釣崎清隆の3.11の作品群が並ぶ。
右手から、エリック・ボシックの殺人刀の写真作品、曽根賢(PISSKEN)の肉筆詩が続き、手前のインスタレーションは、ケロッピー前田のトレパネーションのための器具、右手奥には頭蓋骨に穴を開けた実践者のポートレート、頭蓋骨の穴の写真作品があります。
そして、正面の壁一面に映し出されたアリシア・キングの「シフターズ」。生理食塩水で顔面を膨らませる「ベーグルヘッド」の映像作品で、テクノロジーと人間の未来的な共生を表現しています。その右となりには、十字架の形に培養された皮膚の写真作品。バイオアートを専門とするアリシアならでは先端的な領域に挑む作品です。
さらにぐるっと会場を見渡すと、十字の形に5つの作品が配置されたアイカワタケシの作品群。素材の選択も巧妙で実物を観てこそわかる質感を堪能して欲しい。そして、隣りには、CGかと思わせるほどに洗練されたカール・ドイルのフューチャードミナのフォト作品。
ひとつひとつの作品の密度の濃さもあって、じっくりをご覧いただいています。
3月9日のアーティスト・トーク&プレゼンテーションも大盛況!! まだ観てない方は、お見逃しなく!!!
『死と未来』展って、なに?
という方には以下に解説文を載せます。しっかり、予習&復習で、充実の展示内容をご堪能ください!!
【現代・日本に風穴を開ける『死と未来』展】
私、ケロッピー前田がキュレーターとして、厳選した国内外のアーティストを集め、新たなる時代のヴィジョンを提案しようというのが、3月4日から銀座ヴァニラ画廊で開催される『死と未来』展だ。そこでは、芸術表現の最もエッジな領域に踏み込み、いまやコンプライアンスに縛られたメディア空間では達せ得ないものを提示していきたい。
まず第一に、『死と未来』展が目論むのは、出版メディアに先行し、ギャラリーという展示空間から時代を挑発していくことである。その昔、例えば、1968年創刊の澁澤龍彦責任編集『血と薔薇』や中平卓馬らの写真同人誌『provoke』は、その時代の閉塞感に風穴を開ける契機となった。我らが伝説の雑誌『BURST』も世紀末からミレニアムへの激変の時代に、世界と日本のアンダーグラウンド・カルチャーを結び合わせる役割を果たし得たと自負したい。だが、ネットメディアの時代となった今、主戦場をギャラリーに置き換えて挑みたいのだ。本展示では、『BURST』を支えた作家たちである、釣崎清隆の死体写真、アイカワタケシの左腕骨折ドローイング、初代編集長・ピスケンの肉筆詩、私、ケロッピーの頭蓋骨に穴を開けるトレパネーションの新作が披露される。
そして第二に、副題をフランス語で「ラ・モール・エ・ル・フュチュール(死と未来の意)」としたのは、フランスの思想家ギー・ドゥボールのアナーキズムにあやかっている。ここで提示される未来は、管理されたディストピアに風穴を開けるものであり、アリシア・キングによる「ベーグルヘッド」の映像作品、写真家エリック・ボシックの殺人刀、カール・ドイルによる未来のドミナフォト、美術家・宮川ひかるのターコイズ・デス、それらは、自閉した日本に一撃を喰らわせる破壊力を持つものばかりだ。
あえて震災を想起させる3月開催に拘ったのも、現代・日本に新たな覚醒を願ってのこと。画廊にて、その真価を確かめて欲しい。(ケロッピー前田)
16日(土)まで。15日(金)午後3時以降、16日(土)午後2時以降で在廊予定。最終日は、午後5時までですが、作家も揃うので、お目当ての作家に直接会えるチャンスです。ではでは、会場で。
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