« 2017年2月 | トップページ

2017年3月

2017年3月29日 (水)

【予習編】2017年4月1日(土)18:00〜 オキュパイ一万年 「人間とは何か」を探索する時空の旅

一万年前の縄文時代から一万年後の人類が分化した未来まで

Occupy_10000years_s_2

 昨年2016年11月11日、私、ケロッピー前田が主宰する学校形式のイベント『オキュパイ・スクール』の課外授業として、東京ワンダーサイト本郷にて、「一万年前/一万年後」というテーマのディスカッションが行われた。これはオープンサイトの公募プログラム、POST-ER OFFICE実行委員会によるディスカッション・プラットフォームに参加することで実現したもの。『オキュパイ・スクール』のレギュラー講師陣を中心とした登壇者で、数万年のスケールで人類をとらえ、「人間とは何か?」「これから人類はどこに向かっていくのか?」について、カウンターな視点からアートやカルチャーを通じて討論したのだ。具体的には、前半(一万年前)と後半(一万年後)にわけて、それぞれ60分程度のものとなった。
 「一万年前/一万年後」をテーマとしたディスカッションは非常に好評であったので、今年4月1日(土)、通常のオキュパイの枠で再演する。ここではいくつかの論点について、登壇者の一人として解題しておきたい。
 まず大きく遡って「一万年前」とは、日本においては縄文時代に象徴され、世界的には狩猟から農耕への移行期として文明のはじまりのときといわれる。ここでポイントとなるのは、21世紀となった今、従来の人類史が大きく書き換えられようとしていることである。その理由は、DNAによる遺伝子解析が歴史研究に応用されるようになったことによる。たとえば、「ミトコンドリア・イヴ」は、1980年代、世界の異なる人種や地域の現代人のDNAを検査して、女系にのみ遺伝するミトコンドリアDNAを追跡することから発見された。つまり、我々ホモ・サピエンスは誰もがアフリカの一人の女性の子孫であり、アフリカで誕生して世界に拡散していったことがDNA解析によって科学的に立証されたのだ。それは人類の「アフリカ起源説」を支持するもので、長く議論されてきた「多地域進化説(それぞれの地域で個別に進化した)」を退けるものであった。アフリカ起源説が立証されたことから、まさしく「グレート・ジャーニー」といわれる人類の大移動が行われ、世界に拡散したことが歴史的な事実として理解されるようになったのである。
 また、ゼロ年代の終わりにはスヴァンテ・ペーポの丹念な研究から、アフリカ以外の地域に住む現代人には、ネアンデルタール人のDNAが2%残っていることがわかっている。ホモ・サピエンスは、同時代に生きたネアンデルタール人や他の古代型人類をすべて滅ぼしてしまったのではなく、彼らと交配もしていたのだ。そのようなことまでDNAからわかるようになったことが凄いのだ
 このような人類史の書き換えは、日本人の起源についても大転換を迫っている。海部陽介は著書『日本人はどこから来たのか?』でアフリカを出た人類が南と北にわかれてヒマラヤを越え、東アジアを経て、日本列島に辿り着いたのではないかという。海を渡るには、シベリアから北海道、対馬から九州、台湾から沖縄といった3つのルートが考えられる。海部はその中でも最難関の沖縄ルートを実際に草舟を再現して航海してみることで、縄文時代以前の海洋民族であった日本人を蘇らせようとしている。そのように実践的に古代を再現する挑戦は、私が彫師の大島托と進めている縄文タトゥー復興プロジェクト「縄文族」とも通じると考えている。
 未来へと目を向けて「一万年後」について考えるなら、そこは人工知能が人類を追い越し、人間のサイボーグ化や遺伝子操作によるポストヒューマンの時代である。もはや“人類”がひとつの種としての意識を持っていられるのかわからないし、滅亡してしまっている可能性すらある。
 身近に迫る大きなターニングポイントとしては、人工知能(AI)が人類を超える「シンギュラリティ」がある。これは未来学者レイ・カーツワイルが提唱するもので、2045年にはそのときが来るという。2012年にカーツワイルがグーグルの役員に登用され、AIが無人運転する自動運転車などの実用化が急速に進むようになった今、「シンギュラリティ」到来は現実味を帯びている。
 その先にカーツワイルが考える人間のデータ化、脳のダウンロードなどが可能になるとするなら、一万年後には「データ化人間」が登場しているだろう。さらに物質的な存在でありながら肉体に機械的生物学的な改変を施した「バイオサイボーグ人間」、あるいは人間としての外観を保った「オリジナル人間」がいるとするなら、未来の人類は「データ/サイボーグ/オリジナル」の大きく3つに分かれてしまうのではないか。ディスカッションでは、登壇者は予め3つの人類のどれかの立場を選んでもらった。そのアイデアは、グレッグ・イーガンのSF小説『ディアスポラ』や橋元淳一郎『人類の長い午後』にも通じるものである。
 人類がひとつのものでなくなった未来は、それぞれの形態が生き残りをかけて争っていくことになるので過酷である。「オリジナル人間」は身体の改変による機能向上なしでもサバイブできるのか、物質的な実態を持たない「データ人間」とは果たして人類なのか、あるいは「データ人間」となることが人類が宇宙への新たな“グレートジャーニー”へと旅立つために必要なのかもしれない。さらには人類が光の速度を超えていってしまったら? そこには“死後の世界”をも凌駕する“存在”そのものへの挑戦がある。映画『2001年宇宙の旅』でラストに登場するスターチャイルドを連想する人もいるだろう。
 未来の人類のアイデンティティについて語るほど、「一万年前」あるいは“最初の人類”における勇気ある第一歩とは何だったのかを考えることとなる。そこに立ち現れてくる“人類最初のアート&カルチャー”こそが「一万年後」の未来へと繋がるものとして発見されるべきだろう。
 ここに言葉としての答えがあるわけではない。『オキュパイ・スクール』とは、今を生き抜くためのアイデアと実践を参加者各自がみつけるための学校なのである。発動する創造欲求、ぜひともオキュパイ体験して欲しい。

ブブカ presents

『オキュパイ・スクール 2017 Re:一万年前/一万年後』

大島托・石丸元章・宮川ひかる・阿部謙一・じゃぽにか・花房太一・ケロッピー前田

http://keroppymaeda.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/201741-presents.html

4/1(土)OPEN 17:30 START 18:00/入場料(当日のみ)1500円

@白夜BSホール/豊島区高田3-10-12 白夜書房ビルB1F

サポート NPOヒューマンビーイングクラブ

お問い合わせ keroppymaeda@gmail.com

2017年6月3日~6月18日『縄文族 JOMON TRIBE』@Robert Mayer Zeigt Galerie(フランクフルト・ドイツ)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2017年3月 4日 (土)

2017年4月1日(土) ブブカ presents『オキュパイ・スクール 2017 Re:一万年前/一万年後』のお知らせ!!

2017年4月1日(土)

18:00~ @白夜BSホール

ブブカ presents

『オキュパイ・スクール 2017 Re:一万年前/一万年後』

大島托・石丸元章・宮川ひかる・阿部謙一・じゃぽにか・花房太一・ケロッピー前田

Photo_2

(画像クレジット)

《一万年後からコンニチハ!with ゴキブリS》武内華紫翠(たけうちかしす)じゃぽにか

一万年のスケールで「人間とは何か?」を問う

オキュパイ体験できみの“野生”を覚醒せよ!!

レギュラー講師陣の白熱ディスカッションで超過去と超未来を体感的に総覧します。「一万年前」とは、日本においては縄文時代、世界的には狩猟から農耕への移行期といえます。「一万年後」とは、人工知能が人類を超えるシンギュラリティ以降であり、人間が機械と融合し、ついにはコンピューターデータとなって不老不死を実現しているかもしれない未来です。全く新しい学校『オキュパイ・スクール』は、あなたの体内に眠る創造欲求を駆り立てます。ケロッピー前田(『オキュパイ・スクール』主宰)

※『Re:一万年前/一万年後』は、2016年11月11日@TWS本郷 POST-ER OFFICEで行われた公開ディスカッション『一万年前/一万年後』の再演になります。

http://keroppymaeda.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/20161111-presen.html

Lecture

[プロローグ]

18:00 - 18:20

ケロッピー前田×石丸元章

「アート&カルチャーで“超過去x超未来”を探索せよ!」

[ディスカッション]

18:20 - 19:20

大島托・石丸元章・宮川ひかる・阿部謙一・じゃぽにか・花房太一・ケロッピー前田

「10000 YEARS AGO(一万年前)」

洞窟壁画/ネアンデルタール人/グレートジャーニー/狩猟採集の生活/農耕のはじまり/人類最初の言葉/縄文時代/歌によるコミュニケーション

- 休憩 -

19:20 - 19:30

[インタールード]

19:30 - 19:45

大島托×宮川ひかる

「超未来の身体/一万年後の縄文タトゥー」

[ディスカッション]

19:45 - 20:45

大島托・石丸元章・宮川ひかる・阿部謙一・じゃぽにか・花房太一・ケロッピー前田

「10000 YEARS AHEAD(一万年後)」

シンギュラリティ以降/人類の分化/バイオサイボーグ人間/不老不死データ人間/オリジナル人間/宇宙での生活/死後の世界/どこか彼方へ

[エピローグ]

20:45 - 21:00

花房太一×じゃぽにか

「一万年間テレビを放送終了までお楽しみください」

21:00 - 懇親会

Profile

大島托(タトゥーアーティスト)

世界を旅してタトゥーを学び、黒一色の文様を刻むトライバルおよびブラックワークのスペシャリストとして国際的にも高く評価されている。

石丸元章(GONZO作家)

自らのドラッグ体験を綴った傑作『スピード』『アフター・スピード』は現在もロングセラーに。『ブルーズ・マガジン』主筆。

宮川ひかる(美術家)

フランス・グルノーブル美術大学卒業、スイス・ジュネーブ美術大学修士課程修了。ネイルアート、ボディカッティグなどを用いた作品制作を行う。

阿部謙一(編集者)

現代美術を得意とし、会田誠、小谷元彦、ヨーゼフ・ボイスらの展覧会関連書、Chim↑Pomとの共編著『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』などを手掛ける。

じゃぽにか(解散中・炎上アート集団)

2014年岡本太郎現代芸術賞特別賞。2015年吉祥寺ongoingの個展にて解散を宣言。2016年TAVギャラリー個展の模様がNHKで放映される。

花房太一(アートコメンテーター)

1983年岡山県生まれ、TOKYO ART BEATなどにテキストを寄稿するとともに、牛窓亜細亜藝術交流祭、失敗工房などのキュレーターとしても活動。

ケロッピー前田(身体改造ジャーナリスト)

伝説の雑誌『BURST』で世界のアンダーグラウンド・シーンをレポート。20年間の集大成『クレイジートリップ』(三才ブックス)絶賛発売中!

『オキュパイ・スクール 2017 Re:一万年前/一万年後』

4/1(土)OPEN 17:30 START 18:00/入場料(当日のみ)1500円

@白夜BSホール/豊島区高田3-10-12 白夜書房ビルB1F

サポート NPOヒューマンビーイングクラブ

お問い合わせ keroppymaeda@gmail.com

2017年6月3日~6月18日『縄文族 JOMON TRIBE』@Robert Mayer Zeigt Galerie(フランクフルト・ドイツ)

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2017年2月 | トップページ